労働法×人間学:社員定着率を向上させる最適な方法
- 佐藤孝一
- 2024年12月19日
- 読了時間: 3分

社員の定着率を向上させることを目指した場合、労働法と人間学の両方の観点からアプローチすることで、効果的な労務管理が可能となります。
労働法からのアプローチ
1. 給与を上げて社員の定着率を向上させる
- 業績が向上し、利益が増加している場合は、給与を上げることで定着率向上が期待できます。 
- ただし、業績が横ばいの状態での給与引き上げは困難であり、生産性を向上させ業績を上げる必要があります。 
- また、一度上げた給与を下げることは法的に難しいため、慎重な計画が必要です。 
2. 残業時間を減らして社員の定着率を向上させる
- 残業時間削減の方法として、生産性の向上による業務効率化や、人員の増加が考えられます。 
- 労働基準法には残業時間の上限規制があり、以下の条件を守る必要があります: - 通常の36協定:月45時間、年間360時間 
- 特別条項付き36協定:月100時間(時間外労働+休日労働)、年720時間、2–6カ月平均80時間以内、月45時間を超えるのは年6回まで 
 
3. 有給休暇を取得しやすい環境を整える
- 生産性を向上させることで有給休暇を取得しやすい環境をつくり、また上司が率先して取得することで部下も取得しやすくなります。 
- 使用者には、年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、少なくとも5日分を取得させる義務があります(罰則あり) 
これらの方法に共通して求められるのは、生産性の向上です。
人間学からのアプローチ
1. モチベーションを高める
- モチベーションを高めるには、以下の5要素を満たすことが重要です: - 達成感 
- 承認 
- 仕事そのもの 
- 使命感や責任感 
- 昇進や成長の実感 
 
2. 風通しの良い職場をつくる
- 上司が部下の意見や小さな不満にも耳を傾けることが大切です。 
- 日常的な声掛け(例:「元気?」)を通じて、信頼関係を築く努力を行います。 
3. 社員の定着率を上げることを諦める
- 社員が退職した場合も、その出来事を受け入れ、未来の採用や出会いを考える姿勢を持ちます。 
- 仏教の教えにある「因縁生起」の考えに基づき、過去に縛られず、未来の縁を大切にすることが結果として新たな社員との出会いを生む可能性があります。(因が深層意識のアラヤ識に入り未来の結果として出る) 
労働法と人間学を組み合わせたアプローチ
人間学のアプローチ(モチベーションの向上、風通しの良い職場づくり、未来を見据えた姿勢)を実施することで生産性向上へ向けて仕事に取り組むはずです。それにより以下の成果が期待できます
- 給与アップ 
- 残業時間の削減 
- 有給休暇の取得率向上 
最終的に、これらの取り組みを通じて社員の定着率が向上すると考えられます。
このように、労働法と人間学を組み合わせた労務管理は、法律の遵守と人間性への理解の双方を活かし、持続可能で効果的な組織運営を可能にします。