孝(こう)
社会保険労務士事務所

佐藤孝一
2026年7月14日
人手不足の原因は「採用」ではなく職場環境にある|中小企業が定着率を上げるための職場改善ポイント
人が足りない」 「求人を出しても応募が来ない」 「採用できても、すぐに辞めてしまう」
こうした悩みを抱える中小企業は多いと思います。
人手不足の時代には、採用活動を強化すること自体は重要です。 求人票の見直し、採用ページの改善、給与や働き方の見直し、SNSの活用など、どれも必要な取り組みです。
しかし、採用を頑張っても人が定着しない場合、もう一つ確認しておきたいことがあります。
それは、今いる社員が安心して働き、前向きに仕事へ向かえる職場状態になっているかどうかです。
採用しても辞めてしまう職場では、同じ問題が繰り返される
人が辞めると、会社は新しい人を採用しようとします。 しかし、入社後の職場状態が変わっていなければ、新しく入った人も同じ理由で不安を感じたり、前向きさを失ったりする可能性があります。
たとえば、次のような状態はないでしょうか。
分からないことを相談しにくい
何を頑張れば評価されるのか分からない
忙しさが一部の社員に偏っている
頑張っても認められている実感がない
成長している実感を持ちにくい
このような状態があると、新しく採用した人も職場になじみにくくなります。
つまり、採用の問題に見えていても、実際には 「入社後に働き続けやすい状態が整っていない」ことが背景にある場合があると考えています。
人手不足の会社ほど、今いる社員の状態が見えにくくなる
人手不足の会社では、経営者も管理職も目の前の業務に追われがちです。 そのため、社員の小さな変化に気づきにくいと思います。
以前より相談が減った
会議で発言しなくなった
改善提案が出なくなった
「大丈夫です」と言うことが増えた
指示されたことだけを行うようになった
こうした変化は、すぐに退職につながるとは限りません。 しかし、職場の安心や前向きさが少しずつ下がっているサインである可能性があります。
人手が足りないと、どうしても「次の採用」に意識が向きます。 けれども、今いる社員の状態が見えないまま採用を続けても、会社全体の負担は軽くならないことがあります。
むしろ、教育する人の負担が増え、今いる社員の疲弊が進み、さらに定着しにくい状態になることもあります。
定着しやすい職場には「安心」と「前向きさ」がある
人が定着しやすい職場には、安心して働ける土台があります。
相談しやすい雰囲気
分かりやすい職場ルール
長時間労働が常態化していない
ハラスメントへの不安が放置されていない
役割や責任の範囲がある程度見えている
このような安心があるからこそ、社員は本音を出しやすくなります。
一方で、安心だけでは十分ではありません。
社員が仕事に前向きに関わるためには、達成感、認められている実感、仕事への誇り、使命感・責任感、成長している実感も欠かせません。
自分の仕事は役に立っている
少しずつできることが増えている
頑張りを見てもらえている
この会社で成長できそうだ
このような感覚があると、社員は受け身になりにくくなります。
人手不足の会社ほど、少人数で事業を回していく必要があります。 そのためには、社員一人ひとりが安心して働き、前向きに力を発揮できる状態をつくることが重要です。
採用の前に見るべきなのは「辞めた理由」だけではない
社員が辞めたとき、会社は「なぜ辞めたのか」を考えます。 もちろん、退職理由を確認することは大切です。
ただ、退職理由だけを見ても、職場全体の状態は分かりにくいことがあります。
家庭の事情、転居、キャリアの方向性、待遇面の希望など、会社だけでは変えられない理由もあります。
だからこそ、個別の退職理由だけでなく、職場全体に共通する状態を見ることが大切です。
相談しにくさはないか
評価やルールが曖昧になっていないか
頑張りが認められている実感はあるか
成長を感じられる機会はあるか
仕事の目的や役割が見えにくくなっていないか
こうした職場状態を確認することで、採用の前に見直すべき点が見えてきます。
職場状態を見える化すると、改善の優先順位が分かる
人手不足の中で、すべてを一度に改善することは難しいものです。 だからこそ、まずは職場状態を見える化することが重要です。
見える化とは、社員や経営者を責めるためのものではありません。
どこに不安があるのか
どこで前向きさが下がりやすいのか
何から見直すと定着につながりやすいのか
これを整理するためのものです。
たとえば、
長時間労働や休憩不足が強い課題なら、業務量や労働時間管理の見直し
相談しにくさがあるなら、上司との関わり方や相談の受け止め方の改善
評価や役割の曖昧さがあるなら、就業規則や職場ルール、人事評価の整理
成長実感が弱いなら、仕事の任せ方や振り返りの機会の見直し
といったように、改善の優先順位が明確になります。
人手不足対策は、採用だけでなく定着から考える
人手不足の対策というと、どうしても「人を増やすこと」に目が向きます。 しかし、これからの中小企業にとって大切なのは、単に人数を増やすことだけではありません。
今いる社員が安心して働き、前向きに力を発揮し、少人数でも事業を回せる体制をつくることです。
そのためには、採用の前に、自社の職場状態を確認することが欠かせません。
無料診断のご案内
・採用しても人が定着しない
・人が育つ前に辞めてしまう
・ 社員が受け身になっている
・ 相談や改善提案が出にくい
・労務トラブルを未然に防ぎたい
このような悩みがある場合は、まず職場の「安心」と「前向きさ」を確認してみてください。
孝(こう)社労士事務所では、中小企業の経営者向けに、職場状態を確認する無料診断を行っています。
労務リスク診断では、社員が安心して働ける土台が整っているかを確認します。
前向きさ診断では、社員が仕事に対して前向きに関われているかを確認します。
採用を強化する前に、今いる社員が安心して働き、力を発揮しやすい職場になっているか。 まずは、その現在地を確認することから始めてみてください。
無料 労務リスク診断
https://www.koh-sharousi.com/ansin
無料前向きさ診断