社員育成に力を入れているのに、なぜ社員は辞めるのか

「研修も受けさせている。スキルアップの機会も用意している。それでも辞める」。
実際、中小企業経営者を対象にした調査では、今後の人材戦略として「社員のスキルアップ・育成」を挙げる経営者が20%、「社員の定着率向上」を挙げる経営者が16%にのぼります。
多くの経営者は、すでに人を育てること、人に長くいてもらうことを、経営課題として意識しています。
育成に取り組んでいること自体は、間違っていません
中小企業白書でも、人材育成に力を入れている企業は、そうでない企業と比べて定着状況が良い傾向にあることが確認されています。
人事評価制度、働き方の改善、社内コミュニケーションといった要素も、人材の確保・定着と関連があることが分かっています。
育成に投資する方向性そのものは、データからも支持されていると言っていいと思います。研修を減らす、育成をやめる、という話ではありません。
ただし、ここで一つ確認したいことがあります
社員育成に投資しているかどうかと、社員がその育成を通じて成長を実感できているかどうかは、別の話だということです。
社員の育成は会社側の取り組みの量、社員が成長を実感できているかは、社員側の受け止め方であり、量を増やせば自動的に後者も増えるとは限りません。
白書のデータが示しているのは
社員の育成に投資している企業「全体として」定着状況が良い傾向にある、という関連です。
これは、御社で行っている育成施策が、御社の社員にとって本当に求めている改善なのかまでは教えてくれません。
会社が良かれと思って用意した研修が、社員にとっては「今の自分に必要な内容ではない」と感じられている場合もあります。
せっかく時間と費用をかけているのに、狙った効果が出ていない、という状態です。
確認する方法は、社員に聞くことです
経営者側から見た「育成・定着への取り組み」と、社員側から見た「成長の実感・納得感」を、それぞれ整理して突き合わせてみる。
そうして初めて、施策がずれているのか、それとも施策は合っているが伝わり方に課題があるのか、という次の判断ができます。
孝社労士事務所の無料診断では、まず経営者自身の視点から、社員が安心して働けているか、前向きに仕事に向き合えているかを整理します。
そのうえで、必要であれば有料診断で、社員側が実際にどれだけ成長を実感しているか、
達成感や承認をどの程度感じているかを確認し、両者の差を見ていきます。
育成に力を入れているのに定着しないという状態は、努力が足りないのではなく、努力の向きが社員の実感とずれている可能性を示すサインだと思います。
まずは、会社が用意している施策と、社員が求めている改善が一致しているかどうかを、
確認するところから始めてみてください。
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この記事を書いた人
メーカーの開発・試作部門で約15年、介護現場で約11年勤務。働く側として経験した、役割や判断範囲の分かりにくさ、相談や提案への反応による行動の変化と、社会保険労務士の視点から、人が定着し、前向きに働きやすい職場づくりについて発信しています。


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