社員が定着しない原因は?中小企業が見直したい「経営者と従業員の認識のズレ」

「採用しても人が定着しない」「辞める理由がよく分からない」
こうした悩みがあると、給与、採用方法、福利厚生など、目に見える制度からまず見直したくなります。
もちろんそれらも大切ですが、その前に確認したいのが、経営者と従業員の職場の見え方の差です。
例えば経営者は「困ったら相談してほしい」と思っていても、従業員は「忙しそうで声をかけにくい」と感じているかもしれません。
経営者は「役割を伝えている」と思っていても、従業員は「どこまで自分で決めてよいか分からない」と感じていることがあります。
給与を上げても定着率が改善しない会社の多くは、実はこうした「見え方の差」が放置されたままになっていると思います。
人の定着を見るときは、3段階に分けると分かりやすくなります。
1つ目は、労働時間、有給休暇、ハラスメント対策などの法律・制度。
2つ目は、会社が実際に行っている説明、声かけ、役割設定などの経営者の働きかけ。
3つ目は、それをどう受け取っているかという従業員の実感です。
多くの会社では1つ目の法律対応までは行っていても、2つ目と3つ目の間にズレが生まれていることに気づかないまま時間が過ぎていると思います。
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大切なのは「どちらが正しいか」を決めることではありません。差が大きい場所ほど、改善すべき場所が見えやすくなるのです。
差が小さければ、今のやり方に自信を持って続けることもできます。
なお、職場環境を把握する法律上の制度にはストレスチェックがあります。
現在は常時50人以上の事業場が対象ですが、2028年4月1日からは50人未満の事業場にも実施義務が広がります。
ただし、当事務所の診断は法定ストレスチェックの代替ではなく、目的が異なる独自の仕組みです。
社員が定着しない原因
人の定着を考える第一歩は、施策を増やすことではありません。「経営者が自社をどう見ているか」と「従業員がどう感じているか」の差を知ることです。
こうした認識差は、経営者の能力や人柄の問題ではありません。立場が違えば見えている景色が違うのは当然のことであり、むしろ差があること自体を前提に会社づくりを考える方が現実的です。
次回以降の記事では、この認識差が具体的にどんな場面で生まれるのかを、役割・相談・休暇・評価・モチベーション・退職前兆という切り口から一つずつ見ていきます。それぞれのテーマは独立しているようで、実際には人の定着という一つの結果につながっています。
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この記事を書いた人
メーカーの開発・試作部門で約15年、介護現場で約11年勤務。働く側として経験した、役割や判断範囲の分かりにくさ、相談や提案への反応による行動の変化と、社会保険労務士の視点から、人が定着し、前向きに働きやすい職場づくりについて発信しています。



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